農業組合法人 宮守川上流生産組合 桶田陽子さん

2009.07.04 14:00〜 @アイーナ5階(いわて環境学習交流センター)

 

映像 : 食からみたインドネシアと日本

 

当日はTwitter(eco8chan)にてテキストライブ実況も行われました。以下、当日の記録です(リアルタイムで聞き書きをしているので、内容が正確ではない可能性がありますので、詳しくはビデオにてご確認ください。)

 

  • 「食からみたインドネシアと日本」始まりますー
  • インドネシアの紹介。面積は日本語5倍。人工は2.22億人。インドネシア語。ナシゴレンが有名。
  • インドネシアは9割がイスラム教の人。
  • 自身が派遣されたのは「カリマンタン島」
  • 有機農法を広めるのが仕事だった
  • 肥料を買うお金が無いので、実際に自分で肥料を作ってしまおう!
  • その有機農法で作り出した野菜を、「有機野菜」として地元のスーパーで売り出す。
  • 主に買うのは、中華系の富裕層の方々。
  • 地元の人はスーパーマーケットではなく市場で買い物をする
  • 盛岡のみこた市場の3倍位の市場
  • インドネシアの料理では、唐辛子やショウガやウコンなどの香辛料を良く使う。
  • 他には、ココナッツの粉、椰子の実ジュースを煮詰めた物なども使う。
  • 鶏肉とかはその場でさばく。冷蔵庫とかが無いので、調理してから売るよりも、生かしておいた方が新鮮なので。
  • 市場で売られている食材も、ごく近場から集まってくる食材がほとんど。
  • 社会の地理で習った「キャッサバ」とかも栽培して食べている。
  • マンゴーも良く食べる。マンゴーは年2回くらいおいしい季節がある。
  • イスラム教なので豚肉は食べないが、鶏肉とヤギはよく食べる。
  • 多くの方に聞いていただいています http://yfrog.com/bbf95j
  • みんなで手伝って料理を作っている
  • 油の値段が高騰した時には、薪で料理をしていた。便利なものが無ければないで何とかなる。
  • おいしかった料理は「オコールアヤン」。ご飯とおかずを皿に盛って手で食べる。
  • 家族そろって食べるのではなく、料理がいつもそこら辺に置いてあって、おなかがすいた人が好きな時に食べる。1日3食きっちり食べるという感じではない。
  • 最初は手で食べる事に抵抗があったが、スプーンでは食べづらいし、すぐに慣れた。
  • 断食の様子。みんなで集まって食べてる。え?断食中なのに食べるの?
  • イスラム教の断食は、「日の出ている時間帯は食べない」ということを1ヶ月くらいする。
  • なので、まったく食べないという訳ではなくて、日が昇る前の朝3時頃食べて、昼間は断食して、夜中にまた食べる。
  • 断食が開けると、イスラム教の新年。親戚や近所の人に挨拶回りをしたりする。
  • 貧しい家庭でも、裕福な家庭でも、その家ができるおもてなしをする。
  • 牛肉を甘辛く煮た物や、焼き鳥もおいしい。焼き鳥のソースはピーナッツが入った甘辛のソース。
  • バナナやキャッサバを揚げたスナックとかもおいしい。
  • 「オコールアヤン」オススメ。送別会でも作ってくれた。
  • 味はしつこくて濃いんだけど、実際はそれほど飽きることなく食べる事ができる。ずっと代々受け継がれてきた料理は、その土地の理にかなっている。
  • 地元で取れた旬の物を、代々受け継いできた料理方法で食べる。
  • それが、体も心も元気になる料理だと思う。
  • では日本ではどうなのか?日本を象徴するすものとしては、日本が100人の村だとしたら、97人が消費者。そのうち1人が70代、ということ。
  • インドネシアから帰ってきたときには農業をやろうと思ったけど、実際に現状を目の当たりにして、地域ぐるみで農村地域を支えていくことが必要ではないかと考えるようになった。
  • そのときに、宮守川の生産組合に出会った。
  • 「地域みんなで農地を荒らすことなく、豊かな農業を守っていこう」がスローガン。
  • 広い田んぼが広がっているというより、山間の間にある広くない集落の地域。
  • 「一集落一農場」
  • 地域を守る為に何をしているのか?
  • 183件の農家があり、平均して50アールの大きさの農地を持っている。大きな農家ではなくて、小さな農家が多い。
  • 183件のうち、20代の後継者がいるのは「2軒」!
  • なので、農家単位ではなくて、集落単位での農業をやっていこうとしている。
  • もともと1軒が持っている農地の面積が小さいので、その中で3割の面積で米以外をそれぞれ作っていたのでは効率が悪い。
  • なので、集落でまとまって転作大豆を作る農地を決めて作付けをしている。
  • 小さな農家単位では難しい農機を使いたいので、組合組織で大型機械利用による作業受託もしている。
  • 農家が土地そのものを貸し出し、組合で農地を借りて、その場所で農業をする。
  • すると、個人でさえも米の価格が下がって大変なのに、みんなで集まってやるのは、さらに大変ではないか?壁にぶつかっている。
  • 大口で資材の調達をしたり、大型機械の導入をしたりしている。
  • 黒豆枝豆、ミニトマト、ブルーベリーなどで経営の多角化を図り雇用の創出もしている。
  • 組合で頑張っているところをアピールすることで、助成金等も受けやすくなる。そうすることで、地元の方々に還元される。
  • 地域のおいしいもの、地域の行事、地域の農村を維持していける仕組み作り。
  • 「食でつながる岩手と世界」という企画展もやっています。
  • フードマイレージを意識して、国産の、その地域の農産物を買っていくことが大切。
  • おのずと、「地元で取れた物、地元で料理されたもの」という答えが出てくるのではないか?
  • 会場から質問「インドネシアの農業は個人レベルで作ってバザーに出すような農業をやっているのか?」
  • 回答「インドネシア全体については詳しく分かりませんが、自分が住んでいたところでは、個人個人の農業をやっていた」
  • 農協みたいな組織がうまく機能していなかった
  • 質問「カリマンタンでの移民政策は、農業について経験のない人を受け入れているのか?」
  • 回答「ジャワ島からの移民が多かったが、ジャワ島で農業をやっていた人が移民してきていた」
  • 質問「教えてきた反応はどうだったか?」
  • 回答「化学肥料をつかう農業ではなくて、有機農業(オーガニック)を教えてきたが、政策と現場との認識のズレはあった。」
  • もともと肥料も使わず、「オーガニック」という言葉を知らない人たちに「有機農業・オーガニック」を伝えるのに苦労した。
  • オーガニックとして付加価値を付けて高く売ろうとしても、もともと農薬も化学肥料も使わない農業をしていた人たち(意識してやっている訳ではないけど)なので、すこし矛盾があった。
  • 質問「インドネシアのその土地の収入は農産物の販売代金だけ?」
  • 回答「そうです。販売代金で種を買って育てて、また販売するしていました。」
  • 質問「宮守川の方でも有機農法をしているのか?」
  • 回答「宮守川では有機農法にはそれほどこだわっていない。付加価値の高い、見た目の良い、かつ数が取れるものを作るには、どうしても農薬や科学肥料も使わないといけない」
  • 農薬は限られた量しか使っていない。
  • 「オペレーター、従業員、臨時雇用」で12人、パートの方も含めてのべ2000人くらいの人数。
  • 質問「助成金がなければ厳しいですか?」
  • 回答「はい、厳しいです。米の値段の低さと、大豆や園芸作物をやっていても。」
  • 宮守のような山間の地域での農業は、北上川流域のような大規模農業をしている所との競争はきびしい。山間の地域では難しい面もある。
  • 質問「日本の農業はこれからどうすれば良いと思いますか?」
  • 回答「そういう質問が来ると思っていました(笑。むずかしい問題ですが、その土地の物を買って消費することが一番ではないか。」
  • 質問「でも価格が安いと、どうしても国産や地域産のものよりも、安い方(外国産等)に走ってしまうのではないか?」
  • 回答「確かに、それは事実です。難しい問題ですが、余裕のある人から、そのような行動を取っていくのがよいのではないか?」
  • 質問「加工品などは作っているのか?」
  • 回答「宮守では、傷がついたトマトとかは、加工品にして販売するチャンレンジをしている。」
  • 農業の6次産業化を目指して、いろいろ考えている。
  • 質問「オペレーターとは?」
  • 回答「オペレーターは、農薬散布のヘリコプターを操作したり、大型機械を操作したりする人。
  • 13人のうち8人が地元の人、5人が地元以外から宮守に来た人。
  • 質問「なかなか宮守のこのような取り込みの話が出てこないので頑張ってください」
  • 回答「JAICAでこの地域でこの仕事をする人を募集します。というのがあって、私はその分野の経験があったので、それでインドネシアに行きました。」
  • 実際に行ってみると、政策と現場では「ちょっと違うな」というのもある。日本の青年が派遣されて、その場で考え悩みながら仕事をして、日本に戻ってきてそこで勉強したことを還元する。
  • という事も大事な事になっていると聞いています。
  • 派遣は2年を基本として、代々引き継いだり交代したりして政策が進められている。
  • 岩手県環境学習交流センターでは、これから毎週土日に、農業をテーマとしての「土日環境学習講座」を開いていきます。
  • 次回は7/5(日)「岩手の食文化を大切に」田沢光正さん
  • 7/11(土) 「岩手県、岩手郡、岩手町から発信する新しい食文化」柴田和子さん
  • 7/12(日)「食と農からコミュニティを元気にする」渡邉里沙さん
  • 7/18(土)「食の文化と安全」立身政信さん
  • 7/19(日)「スローフード岩手が目指すもの」塚原良子さん
  • 7/25(土)「さかなでeco発信!」鈴木寛人さん
  • 詳しくは http://blog.iwate-eco.jp にてご確認ください。

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